ブゾーニの代表作
(最終更新日 2005.8.28>


これからブゾーニを聴いてみようという方のために,お節介にも代表作を解説!
今後も追加していく予定。
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Op.35a ヴァイオリン協奏曲(1896-1897)
わりとポピュラーで,シゲティとかブッシュとか大家の録音もあります。新古典主義というか,楽しい曲です。内容としてはブゾーニが独自の作風を確立する前なんで,これで作曲家ブゾーニを判断すると違うと思います。いい曲ですけど。おすすめCDはCLAVESのインゴルフ・トゥルバン。シゲティやボリースはちょっと古いなあ。どうしてもヒストリカルを一枚というならアドルフ・ブッシュを。

Op.36a ヴァイオリン・ソナタ第2番(1898-1900)
ブゾーニ自身「これが私の作品1だ」と言っていたように,ブゾーニが作曲家としての個性を確立した作品と言っていいでしょうね。私もこれでブゾーニにはまりました。ブゾーニには珍しくドラマティックな前半,伝バッハのコラールに基づく変奏曲の感動的な後半,これは傑作です。録音もたくさんあります。シゲティ&ハスキル夢の競演とか,クレーメル&アファナシエフの個性派コンビとか。

Op.38 喜劇序曲(1897,1904)
フィガロ序曲の現代版みたいな曲。楽しいです。

Op.XXXIX ピアノ協奏曲(1901-1904)
全5楽章70分以上,しかもフィナーレには男声合唱付きという怪曲として夙に有名。ただ,生涯の代表作というより初期の代表作という位置づけかな。録音は結構あります。まずはHYPERIONのアムランをどうぞ。合唱がちょっと弱いのが玉に瑕ですが,ピアノに関してはまずこれを聞かなきゃ始まらないという感じです。あとはオグドン,オールソン,ドノホーなどお好みで。

トゥーランドット
組曲が先にできて後からオペラが出来たので勘違いされぬよう。詳しくは別項を見てください。音楽もあちこち違います。プッチーニの不条理な盛り上がりも大好きだけど,面白さではこっちも負けてません。組曲はギーレンのが全曲入ってて便利だけど演奏はいまいちパッションに欠けます。きっちり正確ではあるんですがね。ムーティは未聴。オペラの方,アッカーマンはANFのCDか,ディスココープ盤のLPがあれば買いましょう。ANFは日本語対訳が貴重,ディスココープ盤は余白に入ってるマルケヴィッチ指揮の組曲抜粋が名演。ただ,オペラ自体の演奏はナガノ盤が今のところベスト。アルブレヒト盤は歌手の水準は高いけれど指揮がやや鈍重なのと訳がついてないのがが難。但しこのCDはブゾーニが1921年に書き足した部分が聴ける唯一の録音なので貴重。KICCO盤は買ってはいけません。

Op.42 悲歌的子守歌
マーラーが生涯の最後に指揮した曲として有名。不思議な曲です。

対位法的幻想曲
バッハの『フーガの技法』の未完のフーガを完成させようとあれこれやってたら40分の大曲になってしまったという作。2台Pfヴァージョンもありますが私は1台の方が好き。ブゾーニのピアノ曲の最高傑作と思います。ブレンデル,ペトリ,オグドンはどれも入手困難かな。ダンビーのオルガン版はなかなか良かったけど,マッジはやめましょう。

『嫁選び』
E.T.A.ホフマン原作のオペラ。とにかく面白いです。私は大好き。バレンボイム盤はいい演奏ですがカットが多いので,作品の全貌を知るにはプレヴィターリ盤がおすすめです。ただ,プレヴィターリ盤でカットされている箇所(『トッカータ』を引用した部分)がバレンボイム盤には入っていたりするので,両方買いましょう。

『ファウスト博士』
ブゾーニ最後の作品。未完で残されたのを弟子のヤルナッハが完成。最近指揮者でブゾーニ研究家のボーモントが完成させた版もあります。畢生の大作,ハードボイルドなファウスト。ナガノのCDはヤルナッハ,ボーモント両方収録しているし,演奏もいいです。そろそろDVDが欲しいですね。

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